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分からないは「知識」と「理解」に分解する

今回の記事は学生の方だけではなく、お子様に勉強を教えている保護者の方にも読んでいただきたい内容です。

勉強をしていると、誰でも必ず訪れる瞬間があります。それは「分からない」という瞬間です。実はこの分からないというのは、うまく解釈しなければ、その後の学習効率に大きな影響を及ぼすことになります。今回は、この分からないということについて、少し深掘りしていこうと思います。

<目次>

 

1.分からないに対するアプローチを考える


分からないという状況には、「単に解くためのツールを知らないだけ」という場合と、「解くためのツールが理解できていない」という二つの場合に分けられます。
学生(特に小学生や中学生)にとっては両者の区別はなく、単に問題が解けないことを分からないという言葉で片付けてしまうことが多いです。
しかし、学習のPDCAを回す時、この問題解決に対するアプローチは全く異なるといっても過言ではありません。ですので、わからないをそのままの意味に捉えてしまうと、何を改善すればいいかが不明確なので、効率的に学習することができません。

 

2.解くためのツールを覚える(知識)


では、覚えるべきものとはなんでしょうか。それを考えるためには、まず学問は人間が作り出したものなので、そこには必ず「ルール」というものが存在する、という前提を理解する必要があります。
例えば、将棋も人間が作った遊びですが、そこにはルールが存在しています。「歩」というコマは相手陣地に入って「金」になるまでは、前に一歩ずつしか進めません。しかし、このルールについて、「なんで歩は一歩ずつ前にしか進めないの?」と問う行為は、ナンセンスであると理解していただけるかと思います。
要するに、学問においても、根底にあるルールについては理解するのではなく、知識として覚えなければならないのです。
数学においては定義や定理、公式、そして式変形がこれにあたります。確かに定理や式変形は「なぜそうなるのか」が問えるものも多く存在します。しかし、汎用性の高いこれらのものの仕組みを理解することは、少々非効率だと言わざるをえません。言い換えると、上記のものは多少理解が浅くても、覚えていれば問題は解けます。(三平方の定理を証明できなくても、知っていれば問題は解けるという感じです。)
これが本来的であるかどうかという議論は少し後回しにしたいと思います。なぜならば、まずは努力が身を結ばなければ、勉強自体が嫌いになってしまうという事態に陥るからです。

 

3.解くためのツールを理解する(理解)


さて、知識は覚えるものと述べましたが、実は世論が分かれるのは、「解法を覚えるかどうか」ということです。あくまで個人的な意見ですが、私は解法は覚えるべきだと思っています。もちろん、汎用性の少なすぎる解法は覚える優先度としえては低いですが、それでも覚えるべきものには変わりありません。
ただし、覚える前提として、なぜそのツールを使うか、ということを理解しておかなければなりません。
解法というのは、言うなれば先人たちが残してきたノウハウです。社会においても、いちいち既存のノウハウが存在するものを0から考えることは少ないと思います。確かに、社会に出ると0から考えることも必要なことはありますが、それは既存のノウハウや知識が十分身に付いていることが必要です。少なくとも、時間の制約があり、先人たちが考え尽くしてきた学問の領域(さらに言えば、たかだが大学受験レベルの学問)で0から典型解法を考えるのは非効率ということはご理解いただけると思います。
ですので、ぜひ、汎用性の高い有名解法をどんどん覚えていきましょう。ある程度解法知識がストックされて来れば、自然とそれらを組み合わせて、考え出すことができるようになるはずです。

 

4.理解できないものは使うときの条件(インプット)と何ができるか(アウトプット)を覚える


解法や公式はその意味を理解して覚えると言いましたが、勉強を進めているとどうしても理解できないものが出てくることもあると思います。むしろ、意味を理解できない解法や公式の方が多い、という方もいらっしゃるかもしれません。そのような時でも、解法や公式は是非覚えていってください。しかし、単に覚えるといっても、理解できないものを覚えるときは、その覚え方にコツがあります。
解法や公式を単なるツールとして捉えれば、そのツールを使う「条件」とその結果として「何ができるか」を合わせて覚えておくだけで良いのです。
例えば、微分の意味がどうしても理解できないというときは、どのような条件を入れると、どのようなアウトプットが返ってくるのかを覚えます。
問題文に関数が出てきていて(条件)、求めるもの(アウトプット)が極値、増減表などのキーワードになっている。または、問題文に変数が出てきていて(条件)求めるものに「接線」「最大最小」などのキーワードが出てきたときも、「微分というツールが使えるのではないか」と考えます。
実は、問題を数多く解いていると、これらは自然に身についていくものです。数学を教えている私ですら、この世の問題をすべて暗記しているわけではなりません。しかし、問題を見れば、ある程度何をしなければならないか、というアプローチは感覚的に出てきます。それは、ほとんど無限に存在している問題そのものを暗記しているわけではなく、ある程度型の決まっている、問題のインプットとアウトプットのセットを覚えているからです。

 

5.まとめ


ここまで、どういったことを覚えるべきかということについて書いてきましたが、もちろん、これらの知識を暗記したからといって問題が解決できるわけではありません。最低限の知識を暗記するということは、そこで初めてスタートラインに立つ、ということです。逆に言うと、いくら時間をかけて勉強しても、スタートラインに立っていないまま勉強しても、空回ることが多いです。覚えるべきものとは、これから本格的に勉強を始める人が、まず最初にインプットすべきものですので、これから勉強していくけども、何から手をつけて良いか分からないという人は、まずこの覚えるべきものの暗記から始めていくと良いと思います。
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