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【塾長体験談】国立教育大附属学校とはどんな場所かを解説



茗荷谷の個別指導塾ESCA塾長の岸田です。

小学校、中学校、高校の進路選択で、必ず聞かれる項目として、国立の学校の存在があります。大学を除くと、国立の学校は私立、公立に対して数が少ないため、表面的な情報しか得られないという方がほとんどではないでしょうか

また、国立の学校は多くのメリットがあるため、その倍率も非常に高いです。本稿では、幼稚園から中学校まで国立の学校に通っていた学習塾ESCA塾長の岸田が、その体験を踏まえながら国立一貫校の魅力をお伝えしたいと思います。

本来であればデータ等を用いて客観的な記事を書くべきかもしれませんが、せっかくリアルな体験をした身として、他にはない情報を届けようと思ったので、本記事は私見と個人的経験に基づくことご了承ください。

 

国立一貫校への入学方法


国立の小学校や中学校(高校はないところもある)は全国にどれくらいあるのでしょうか。
中学校に絞って検索してみると、以下のようなサイトに行き着きます。

全国国立大学附属中学校一覧

おおよそですが、各県に1つ程度の割合で国立の中学校が存在していることになります。
では、国立の学校に入るにはどうすれば良いのでしょうか。大きく分けると国立の学校は2通りの選抜方法が存在します。

一つは、抽選と入学テストを行う学校。東京都の筑波大附属小学校など人気も偏差値も高い国立は、1回だけではなく複数回抽選を行うところも少なくありません。もちろん、入学テストのレベルも高く、対策が必要なことは言うまでもありません。せっかく対策したのに抽選で落ちてしまう、ということも十分あり得ます。

もう一つは、抽選のみを行う学校。私は兵庫教育大学附属小学校(幼稚園から)に通っていましたが、この学校は小学校への入学にテストは不要で、抽選のみで入学できました。

 

他の学校と違うと感じるところ


ここからは完全に岸田個人の感想を元に書いていきます。国立学校のメリットとして、学費が安い(私立の10分の1から4分の1くらい)ということが挙げられますが、その他にも私が通っていた学校では、他の学校とは違ってるなと感じたことがいくつもありました。

 

宿題、勉強編


まずは小学校時の宿題と勉強。小学校から中学校まで長期休みの宿題は毎回出されましたが、小学校の低学年時は勉強に関しては「自由」でした。連絡ノートには「自由勉強」とのみ書いていた記憶があります。入試のない田舎の国立だったのか(?)宿題がキツいと思ったことはありませんでした。

しかし、後述の通り、宿題が「自由」というのは、学力の責任は個人で取る必要があるということです。私は小学校時代に全く勉強をしていなかったので、中学時代は非常に苦労しました。中学になると定期テストが実施されますが、やはり中1時点で成績が優秀な生徒は基本的に小学校3、4年あたりから塾に通っている、というのが普通でした。

学力や勉強の進度は国立の中でも学校によって様々だと思いますが、私の通っていた学校は進度は「普通の公立校程度」で、学力のレベルは「両極端だが、平均すると地域の公立校よりも高い」でした。
(筑波大附属など入学試験がある学校は、全体的にレベルがすごく高いです。)

進学を重視した授業でないにも関わらず、私の学年で言うと、東大、京大、医学部合格者がゴロゴロいました。この両極端という性質は、少なくとも私の通っていた学校では、進学重視の教育ではなく、多様性教育の賜物であったと思います。

成績上位陣はほぼ全員が学習塾に通っている一方で、学校の授業としては進学用の授業というよりも、考え方や創造性(クリエイティビティ)、自主性、協調性、ディスカッションを重視した内容でした。

にもかかわらず、周りにある学校に比べて、定期テストのレベルは少し高かったです。
ちなみに、私は小学校の頃塾に行っていなかった+学校としてもそこまで進学に対する勉強に力を入れていなかったため、中学1年時の成績は最悪でした(学年で下から2番目とったこともあります)。中1の冬から塾に通い始め、中2の夏頃から成績が急上昇しました。

 

私生活編


私生活においても特殊なことはたくさんありました。前述のように、創造性、ディスカッション、協調性などを重視した授業展開であったため、小学生の頃は普通の学校のような規則的な机の並びではなく、クラスを6班に分け、班ごとの島を形成するような形の机配置でした。個人行動よりも、この班による集団行動が重んじられ、通常授業、私生活行動、イベント、あらゆるところで班ごとの行動がありました。

中学生に上がるとこの席順のシステムは無くなってしまいました。中学に上がると、学校外からも生徒が入ってきます。小学校はかなり特殊な環境下でしたが、中学生に上がると、勉強、私生活含めそこまで特殊なこともなかったかな、と言う印象です。
また、これは国立かどうかによるわけではないですが、かなりの田舎だったので、自然と触れ合う課外授業みたいなものは多かったです。

協調性を重要視する校風でしたが、後述の通り、個々人のキャラは多種多様でした。よくある「同調圧力」というものを感じたことはなく、個性がめいいっぱい躍動する学校でした。
そのため、イジメ(関西特有のイジリはあったかもしれませんが)も周りの学校に比べるとかなり少なかったですし、治安もよかったように思います。

 

イベント編


私の通っていた小学校で1番の特色を挙げるとしたら、この「イベント」になると思います。というのも、全校生徒、先生、つまり学校全体が、10月に行われる特殊な運動会(カーニバル)を1年の目標として捧げているのです。

このカーニバル、運動会といえば運動会なのですが、それに加え、縦割りチーム(1年性から6年生まで)のミュージカルが行われます。ただの小学生のミュージカルと侮るなかれ、シナリオ、振り付け、衣装に至るまで、生徒が考え、ゼロから全てを創り上げます。

ほとんど1年をかけて、小学生がそれぞれの班のシンボルやステージ装飾に至るまで、ゼロから創作するという経験は、流石に他の学校にはないイベントだと思います。

また、高学年になると、小学校のくせに卒業論文のようなものを書き、それに関する資料を作成して発表する機会などもあります。これをやっていたのが今から23、24年前のことなので、いかに先進的な教育が行われていたかと言うことが今になって実感されます。

 

どんな人間がいるのか


学校を選ぶ上で、周りにどんな人間がいるのかということは非常に重要です。公立、私立を選択する際も、この辺りの情報が非常に重要になってくるのではないでしょうか。
これも私の主観(所属学年にもよるかもしれません)ですが、少しその辺りのことを書いていこうと思います。

 

生徒編


これは入学試験の有無によるところもありますが、入学試験のない国立学校はくじ引きで入学するので、様々なタイプの人間がいました。しかし、これはくじ引きでのランダムな選別の結果もあると思いますが、学校の教育によるものが大きかったと思います。

とにかく多様性については折紙付きです。進学する人もいれば、音楽、海外、料理、などなどまさに多種多様で、しかも各分野でレベルが高い人が多い。進路相談でもここを狙え!みたいなことはなく、自分自身で決めたことについてはどんなことであれ寛容なところでした。

 

先生編


国立教育大学附属の一貫校は、教育に関する研究施設という側面も持っています。そのため、もちろん多少の差はあると思いますが、教育大学附属の国立校に配属される先生は優秀な先生が多いです。

記憶の中では、たまに他の学校の教職員の方々を集めて授業見学会のようなものも催されていましたし、教育大附属出身の先生方はその後さまざまな学校の校長や教頭、そして大学教授としてご活躍されているという話もよく伺います。

 

総合所感


ここまで読んでいただいた方は薄々感じているかもしれませんが、国立の教育大学附属の学校は他の学校と比べてもかなり特殊な環境だと思います。どのような教育も万人にとって最適なものというものはありませんが、私にとっては最高の環境でした。

近年、インターやバカロレア指定校などが人気を博していますが、これらも国立校と同じで、教育が優れている、劣っているということではなく、その教育が子供に合うか、合わないかで決めることが重要です。

私が通っていた国立教育大学附属校では、主体性、感受性、独創性、コミュニケーション能力が高い方は非常に合うと思います。
※ちなみに個々人のキャラは個性的ながらも、班活動の「連帯性」という形で協調性も養われます。

 

まとめ


これらの教育の中には、今では当たり前になっていることも少なくありません。しかし、これら全てが20数年前に既に教育現場で実施されていたという事実は、大人になった今だからこそ、当時最先端の教育を受けてきたのかもしれないということを実感させてくれます。

また、やはり特筆すべきは多様性、自由、そして創造性を重んじた校風であるということです。自由というと聞こえはいいですが、先ほども述べた通り、自由とは自立がなければプラスに働きません。

「自分のことは自分で責任を持って決め、実行する」という精神を小学生の頃から叩き込まれたのは素晴らしい経験になりましたが、これは周りの大人が導いてくれないと成しえなかったことでもあると思います。

個人的な意見になりますが、国立の学校を狙ってみるというのは一つの選択肢として持っておくことをお勧めします。

学習塾ESCAでは進路相談も随時承っております。

お問い合わせはこちらから。
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