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【受験生必見】センター試験から共通テストへの変更点
学習塾ESCA茗荷谷校の講師、中嶋です。夏休みも終わり、受験もそろそろ本格化していきます。ほとんどの人が既に志望校を決定していると思いますが、まだ志望校を確定させていない人もいると思います。
しかし、どこを受けるにせよ、共通テストはほとんどの人が受験すると思います。たとえ志望校が私立で固まっており、共通テストが不要であっても、共通テスト利用で滑り止めを確定させることで精神的にも安定します。
そんな共通テストですが、2022年度以降は変更点がいくつかあります。本稿では、共通テストでの科目変更点についてご紹介したいと思います。
今年度の受験者の方は関係がないと思われているかもしれませんが、浪人を含めて今後の受験計画を立てる場合は必ずチェックしておいてください。
共通テスト変更点
数学
2022年度を境に、数学Cが復活し、旧課程と同じく6分野での体制に再構築されます。これに伴って、1分野の内容に変更点が生じたため、何がどこに組み込まれたかを含めて、ご紹介します。
現行課程(5分野) ※2021年度まで | 単元 | 新課程 ※2022年度以降 | 単元 |
数学1 | 数と式 図形と計量 二次関数 データと分析 | 数学1 | 数と式 図形と計量 二次関数 データと分析 |
数学2 | いろいろな式 図形と方程式 指数・対数 三角関数 微分・積分の考え | 数学2 | いろいろな式 図形と方程式 指数・対数 三角関数 微分・積分の考え |
数学3 | 平面上の曲線と複素数平面 極限 微分法 積分法 | 数学3 | 極限 微分法 積分法 |
数学A | 場合の数・確率 整数 図形の性質 | 数学A | 場合の数・確率 図形の性質 数学と人間の活動 |
数学B | ベクトル 数列 確率分布と統計的な推測 | 数学B | 統計的な推測 数列 数学と社会生活 |
数学C | ベクトル平面上の曲線と複素数平面 数学的表現の工夫 |
ベクトルの組み換え
2022年度から始まる新課程では、ベクトルが数学Bから数学Cに移行します。今回の変更を受けた結果、ベクトルは理系学生のみが受講することになります。しかしながら、物理基礎では、「ベクトル」が登場してくるので、文系学生でも一部自主的にベクトルの基礎だけでも学ぶ必要が出てきました。
複素数平面と式と曲線の組み換え
数学3で、これまで学んできた内容でしたが、今回の変更を受けて数学Cに移動しました。
整数分野は依然として維持
今回の改定に伴い、整数の名前自体は消滅したように見えましたが、「数学と人間の活動」にきちんと残っています。つまり、名称は変わったものの、中身は変わっていないと言えます。もちろん、以前と比べると、出題頻度自体は落ちると思われますが、難関大では好んで出題される分野ではあるため、学習する必要性がそがれるわけではなさそうです。
場合の数と確率に期待値が追加
「場合の数と確率」という数学Aの分野に期待値が復活しました。今までも、一部の私大などや国立大学では、追記を記したうえで出題がされていました。今回の改定を受けて、完全に共通テストでも「期待値」が出題されます。
「ベクトル」が数学2から消滅したのはなかなか大きな変更点だったといえるでしょう。
しかし、数学1・2を含めて変更点がなかった分野もあります。制限時間も、共通テスト導入以降に倣って、数学1・Aは70分になります。
また、昨今の情報革命を受けて、全体的に統計やデータに関する学習範囲が幅を利かせてきた印象があります。後述しますが、2025年には「情報」が追加されます。これも、近年のIT化やそれに伴うIT人材の育成といったトレンドに乗っかったモノだと言えます。
「情報」科目の新設
2025年以降、「情報」科目が必須になりました。この「情報」という分野では、プログラミングやIPアドレスの仕組みなど、ITリテラシーを身に着ける上で必要な能力が問われます。
また、CBT方式と呼ばれるコンピュータによる試験方法は、今回の変更には該当せず、従来通りの筆記試験で受験することになります。
社会科目のスリム化
現行の教育課程では、地理歴史分野は、地理A・B、世界史A・B、日本史A・Bで構成されています。しかし、2025年度からの新教育課程では、地理歴史分野は、地理総合・地理探求、世界史総合・世界史探求、日本史総合・日本史探求に変更します。
また、これと同様に、現行の教育課程では、公民分野は、現代社会・倫理・政治経済・倫理政治経済で構成されています。しかし、2025年度からの新教育課程では、公民分野は、公共・政治経済、公共・倫理、地理総合・歴史総合・公共に変更します。
こうした変更は生じたものの、学習内容に大きな変更が生じるわけではありません。
共通テストの狙い
数学
2022年度や2025年など、共通テストにも垣根になる年度があります。それでも、センター試験と共通テストで、大きく異なるのは、解くまでに必要な「過程」が重視されるようになった点です。
実際に、次期学習指導要領には、変化の激しいこれからの時代を生き抜く能力を育成することが記載されています。従って、思考力や表現力を求める出題を増やすことが予想されるでしょう。
従って、数学1・Aの試験時間がセンター試験の時と比べて、10分間延長され、全部で70分になりました。だからといって、これまでの計算力などがあって初めて思考が出来る側面もあるので、処理能力もしっかり伸ばしましょう。
また、日常生活やIT化された社会を意識して、コンピュータ絡みの学習内容が増加しました。統計的な推測や新科目にもなる「情報」は、その一例に当たると言えます。
社会
科目数が簡素になり、名称・呼称も変更したものの、大きくは変動がありませんでした。しかしながら、これまで以上に「思考力」を求める出題が多くなりました。グラフや表などのデータを参照したうえで、そこから読み取れることは何かを社会的な素養を踏まえて出題がなされます。
まとめ
こうした変更後の共通テストでは、全体的に「思考力」や「表現力」が重要視されるようになりました。従来の知識のインプット主義からの脱却が垣間見えたと言えるでしょう。
また、これと並行して、「情報」が科目に追加されたように、IT社会の実現を教育の観点からも支持されるものとなりました。
毎回微量ながらも変更が生じ、受験生は戸惑いを隠せないところもあると思いますが、日々の学習からじっくりと考える癖を身に着けておくことで、十分対応できるものです。
もし、日々の勉強をもっと実りあるものにしたいと思う方がいらっしゃれば、ぜひESCAへお越しください!お問い合わせお待ちしております。
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