Blog コラム
【先輩合格者に聞く】大学受験における文系理系の選択と将来の目標設定の重要性(その①)
茗荷谷の個別指導学習塾ESCAの講師、朝倉です。本稿では、理系と文系の選択について、私の経験を基にお話ししたいと思います。
ほとんどの高校生が2年生になるタイミングで理系か文系かを選択しなければいけないと思います。その時、どっちを選べば良いのか、何を基準に選べばいいのか、そう言った悩みが生じると思います。
今回はそうした悩みを解決できるような話ができればと思います。
講師(朝倉由之佑) 基本情報
志望校:京都大学法学部
合格校:慶應義塾大学経済学部
勉強していた教科:英語、数学、現代文、古文、漢文、世界史、倫理・政経、化学基礎、生物基礎
得意だった科目:英語、数学、世界史
苦手だった科目:現代文
私自身の選択
まず私が文系理系のどちらを選び、なぜそちらを選んだかを紹介したいと思います。
私は高校2年生に上がるタイミングで「文系」を選択しました。理由は、部活が忙しく、理系の授業についていけるか不安だったことと、生物や化学より歴史の方が好きだったからです。
文系を選択して、結果的に高校生活はかなり充実したと思います。私の高校では、10クラス中7クラスが理系クラスになるほど理系が多く、そんな彼らと同じ場所にいたと考えると、自分は埋もれていたと思います。
数学が得意ということもあって文系では他の生徒に差をつけることもできましたし、それなりに安定して成績をとることができました。
しかし、文系を選択したことで後悔したこともありました。それは、大学に入って就職活動のタイミングで気づきました。
親には高校の時から就職活動に勝つために理系に行って専門を勉強しなさいと言われていましたが、楽さとなんとなくの教科選びで文系を選択した私は理系の就職活動の強さに驚きました。
後ほど詳しく説明しますが、私がもう一度文理選択をできるとすれば理系を選択すると思います。
文系選択のメリット
ここからはそれぞれの選択のメリット・デメリットについて詳しく紹介したいと思います。
まずは文系のメリットですが、語学や歴史を中心に学べる大学に進める・文系大学で留学がしやすい・数学が得意だと周りと差をつけられる・私立文系の選択肢がある。以上の4つが考えられます。
次に外国語大学や歴史専門大学・学部に進むには文系を選択するべきです。ほとんどの外国語・歴史大学の受験科目は文系科目が中心であり、それぞれ英語と歴史がメインになってきます。
理系からそれらの大学を目指す学生もいますが、集中的になりたい人にとってはメリットに働きます。また、この話は留学にも通じますが、大学に入って見て、文系学生の方が留学しやすい印象を受けました。
理系学生はどうしても研究室や課題などで忙しく長期の時間が取れませんが、文系大学ならある程度猶予があります。
冒頭で私の話もしましたが、数学が得意だと圧倒的に差をつけることができます。というのも、文系選択をする人の理由にはさまざまなものがありますが、一つ大きなものをあげるとすると数学が苦手だからというものがあります。
文系だからといって数学をやらなくていいわけではないので、受験科目に数学がある場合は得意だとかなり差をつけられますし、私自身も楽に受験を運べました。
文系選択はその中でも私立文系大学受験、つまりは教科をしぼって大学受験ができます。数学が苦手だから教科を英語・歴史などに絞って有名大学や難関大学に挑戦できるので、ある程度可能が高まるかもしれません。
文系のデメリット
デメリットについては理系のメリットの裏返しになるかもしれませんが、文系にできることは理系にもできます(もちろんその濃度は異なりますが)。
大学受験においては、それぞれ行きたい大学があると思うのであまり差を感じないかもしれませんが、就職活動については、理系大学の学生は文系職も受けてきます。
高校2年生の段階でかなり先のことを考えるのは難しいですが、やはり理系大学生は全てを網羅してくるので文系の学生が差をつけるのは難しくなります。
そういう意味で、高校の段階で文系を選択すると可能性がかなり狭まるかもしれません。
これは大学受験についても同じことが言えます。歴史2教科必要な受験では理系は圧倒的に不利ですが、それ以外に関しては、理系学生でも文系大学を受けてきます。
彼らは数学を得意としている可能性が高いので、仮に自分たちが数学に自信があってもなかなか差をつけられないかもしれません。私が入学した慶應に関しても医学部受験者やその他理系の学生もたくさんいました。
理系のメリット
理系のメリットは、文系のデメリットでも紹介しましたが、とにかく万能になれることです。理系を選択しておけば、いざ受験のタイミングで文系大学も受験できますし融通が効きます。
また、理系大学に進学すると、就職活動でも理系職と文系職の両方が受けられるので圧倒的に有利です。
文系大学受験に関していうと、数3を学習する理系にとって文系の数学は簡単に解ける可能性がありますし、文系学生が嘆くような問題も解ける可能性があるので楽に受験を勧められます。もちろんある一定レベルの学力がある前提ですが。
理系のデメリット
正直デメリットというデメリットはありませんが、考えられることをいうと、負担が大きくなることと理系大学に進学すると院進する可能性が高いということです。
部活動をやっている人などは理系に進むとついていけなくなる可能性もあります。実際私が所属していた硬式野球部でも授業についていけず、文転する人もいました。
ここに関しては本人のやる気と粘りが関係してくるかもしれませんが、間違いなく文系よりは難しく暗記量も多くなります。
また、理系大学に進学するとほとんどの学生が院進します。ここは自分の選択次第なので必然ではありませんが、大学を4年間で終えられなかったり、院進しないと就職で強さを発揮できなかったりします。
もちろん、院に進学しなくても全く問題はないのですが、理系で就職活動に出遅れてしまうと、「周りが大学院にいくから自分もなんとなく」という理由で大学院に進学してしまう人が多いです。
こうなってしまうと、せっかく大学院に進学しても、あまり実りのある大学院生活は送れないと思います。大学院への進学か、学部4年間で就職活動をするかという部分は、ぜひしっかりと先輩の意見も聞きながら、ご自身で熟考することをおすすめします。
最後に
今あげたメリット・デメリットはあくまで私個人の感想なので絶対にそうかと言われたら違う部分もあると思います。
しかし、私がここで一番言いたいことは、高校2年生の選択を将来の選択として重要視してほしいということです。
冒頭で私が再度選べるなら理系といいましたが、何年後かにくる就職活動で圧倒的差を感じるはずです。
近年では文系職がなくなってきていることもありますし、文系大学の定員も減りつつあります。みなさんに必ず理系に進めと言うわけではありませんが、長い目で見て将来可能性が高まる道を選んでほしいと思います。
学習塾ESCAの講師は、採用前に必ず塾長に「将来のキャリアについてどう考えるか」ということについて質問されます。
また、講師として教鞭をとっている際にも、常日頃から就職についての意識を問われます。これは塾長が元々企業で働いており、後進育成をしたいという想いから立ち上げたESCAの理念があるからです。
なぜ勉強をしているのか、目標と手段を混同していないか、少しでも疑問を感じている人は、ぜひ一度学習塾ESCAにお問い合わせください。ただ目の前の勉強をするだけではモチベーションは維持できません。
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