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【学習塾ESCAの塾長が解説 】 国立大学志望と私立大学志望を選択する際の4つのポイント

茗荷谷の個別指導塾ESCAの岸田です。


本稿では国立大学と私立大学、それぞれのメリットやデメリットを解説します。


他の方も国立か私立かの選択について、様々な記事を書いていらっしゃると思いますが、本稿は私自身の経験(東大、サラリーマン経験、学習塾経営者)に基づいて記事にしていこうと思っています。


どちらを志望するべきか迷っている、という人の手助けになれば幸いです。


もっと詳しいことや、自分はどちらを第一志望にするか、その他相談事項のある方は、是非お問合せよりお気軽にご連絡ください。オンライン面談も受け付けております。

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そもそもどういう目的で大学に進学したいのか?


私立大学、国立大学の選択をする前に、そもそも論ですが、どういう目的で大学に進学したいかということを考えてみてください。


これは別に「高尚な目的を持って大学に行けよ!」という綺麗事を述べているわけではありません。


研究がしたい、官僚や公務員になりたい、起業したい、就職を有利に進めたい、資格を取りたい、とにかく大学に入りたい、など様々な目的があると思います。


それぞれの目的に合わせた学校選びをしなければ、効率的な受験生活を送ること、ひいては充実した高校生活を送ることはできません。


まずは目的を明確にするところから始めましょう。


それでは、次項からは様々な観点から国立、私立を分析していきたいと思います。


 

 

①入試形態の観点から


【高校生全学年必見】総合型選抜合格のために必要な3つのポイントでも述べたとおり、近年推薦型入試の割合が増加傾向にあります。


かつては推薦入試は私立大学、というイメージが強かったのですが、近年は国公立大学でも推薦入試枠が増加傾向にあります。


今後この傾向は続くと予想されますが、とはいえ現段階では国公立大学よりも私立大学の方が推薦枠(指定校や公募、総合選抜など)は多いです。


推薦入試でいうと、社会に出てからやりたいことが決まっている、そしてその事前準備(課外プログラム)を中学、高校で行っている人、または部活やその他コンテストなどで成果をあげている人は私立大学の方が門戸は広いと思います。


一般入試でいうと、大きな違いは科目数です。


国立大学が5教科7科目なのに対して、私立大学は2教科〜4教科と国立大学よりも入試科目は少ないです。


また科目が少ないだけではなく、理科or数学から選択できる、古文や漢文は除外、など範囲も狭い場合があります。


大学によっては必ず第2問は二次関数の問題が出る、など問題予想ができる場合があるのも私立大学の特徴です。


得意科目が入試科目にある、高3からの一発逆転を狙う、という人は私立に絞って受験勉強を行うのも一手かもしれません。逆に、全ての科目が平均的にできる、という人は国立を目指せる可能性が高いです。


ただ、入試科目が少ないからといって高偏差値帯の私立大学が簡単か、と言われるとそんなことは全くありません。


それなりの偏差値帯の私立大学は、国立大学志望者の滑り止めという側面も持っています。


そのような猛者達と渡り合うためには「楽そうだから」というモチベーションだけでは合格することは難しいでしょう。


 

 

②学費の観点から


私立大学は学費が高いのではないか?と思われがちですが、実際国立大学と私立大学では学費にどれくらいの違いがあるのでしょうか。


以下は文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果」のデータを元に作成した国立大学、私立大学の1年間に支払う学費の推移をグラフ化したものです。




国立大学と私立大学の学費/授業料の推移

入学金等は含みません


国立大学、私立大学ともにここ20年間で学費は上昇傾向にあります。


国立大学と私立大学では1年間で約40万、4年間で160万円の学費の差がありますが、これが高いのか、安いのかというのは人それぞれの感覚かと思います。


ただ、遠方の大学に進学するとなると、一人暮らしの費用もかかってきます。東京では1Rでおおよそ68万円が一般的な大学生の利用する賃貸ではないでしょうか。


交友費はアルバイトで賄うとしても、生活費まではなかなか賄いきれないのではないでしょうか。そうすると、単純に仕送りをもらって、家賃と合わせて月に15万程度は必要になってくると思います。


そう考えると、家から通える範囲であれば、国立大学に進学するよりも私立大学に進学した方がトータルでは安くなる可能性もあります。


また、私立大学の学費が高いイメージがついているのは、医学部、歯学部、場合によっては看護学部の存在が挙げられます。


私立医学部はなんと6年間の学費が2000万円から5000万円という、とんでもない学費です。学費に幅はありますが、おおよそイメージとしては偏差値と学費が反比例しています(偏差値が高いほど学費は安い)。


私立歯学部は6年間の学費が2000万から3500万程度で、こちらも医学部に近い学費です。看護学部は4年間の学費が500万から700万で、こちらも他の学部に比べると若干高めになっています。


学費の観点からはもちろん国立の方が安いですが、国立に入学するまでの塾代、遠方に進学する際の生活費など、トータルで考える必要があります。


 

 

③就職の観点から


私は学習塾ESCAを立ち上げるまでは、大学卒業後は企業で働いていました。そのころは人事部ではありませんでしたが、リクルーターとしても活動していました。


リクルーターというのは、自社に大学生をリクルートする役割のある、人事部と密接に関係している役柄です。


そんな私が就職の観点から国立大学と私立大学を評価してみたいと思います。


先に結論から書いてしまうと、一般的な就職に関して言えば、純粋な国立大学と私立大学の違いはそこまでないように思います。


ただし、国立、私立という分類ではなく、大学ごとの違い(偏差値、研究室、OB)は確実に存在していると言えます。


就職における偏差値や学歴志向については岸田の対談記事をご参照


「日本社会は学歴至上主義に回帰するのか?話題の書籍「学歴フィルター」の著者福島直樹氏を取材。


偏差値については上記の記事に説明を譲るとして、研究室とOBについてお話ししていきます。


研究室というのは、主に理系学部の研究室推薦のことです。


難関大の理系研究室ともなれば、業界最大手メーカーなどへの推薦も珍しくありません。


もちろん、学部や研究室によっては推薦がない場合も多々あるので、もしこれを狙うのであれば事前に情報収集をした方が良いでしょう。


もう少し特殊なのはOBの存在です。特に公式なシステムではありませんし、研究室推薦のような確実性もありません。


具体的にはOB訪問が容易に行えるという点です。また、自分の働きたい企業に就職している先輩が多ければ多いほど会社の内情も知れますし、公式にではありませんが企業側の印象も良いと思います。


今は分かりませんが、かつては大学の部活のOBがリクルーターとしてやってきて、この企業に行きたいやつ手を挙げろ、的なことが行われていたと聞いたこともあります。


流石に今はないと思いますが・・・


このように多少特殊な事例はありますが、基本的には通常の就職活動を行うことが多いです。そして、大企業ほどいわゆる学歴フィルターがあることは否定できません。


しかし、あくまでも学歴というのは就職するための「入場券」に過ぎません。いったん就職してしまえば、出世するのはそこからの努力ですし、今は転職するのが当たり前の世の中なので、社会に出てキャリアアップしていくためには学歴以外の努力の割合が大きいでしょう。


また、就職に関してもう一つ重要なことがあります。盲点かもしれませんが、それは立地です。どこで就職活動を行うか、どんな企業に就職したいかにもよりますが、都会である方が就活には有利と言えるでしょう。


なぜならば、中堅〜大手のほとんどは東京、大阪、名古屋などに集中しており、地方採用も比較的大きな都市で行われることが多いからです。


就職活動で1社しか受けない、という人は稀だと思います。面接が都市部でしかない場合、面接会場まで移動する、複数社の面接を受けるために宿泊する、ということもあるかもしれません。


また、面接は1回ではありません。内定を得るまでに何度も面接を受ける必要があります。


こう考えると、先ほどの「学費」の項でも述べましたが、大学の立地も重要になってきます。


 

 

④文系・理系/教育の観点から


文系、理系の観点からいうと、情報系以外の理系に関しては国立が強いという印象です。


これにははっきりとした理由があります。それは「研究に使えるお金」が国立大学の方が多いからです。


通常研究にかかる費用というのは、学費や共同研究の企業から出資されますが、そのほかにも科学研究費補助金という総予算2000億円を超える資金があるのです。


この科学研究費補助金ですが、各大学の獲得実績を見てみると、国立大学が圧倒的に多いです。


どれくらいの違いかを知るために、2021年度の実績を見てみましょう。


1位:東京大学(約214億円)


2位:京都大学(約145億円)


3位:大阪大学(約103億円)


4位:東北大学(約103億円)


5位:名古屋大学(約81億円)


6位:九州大学(約73億円)


7位:北海道大学(約62億円)


8位:東京工業大学(45億円)


9位:筑波大学(約41億円)


10位:慶應義塾大学(約37億円)


10位になってようやく私立大学の雄である慶應義塾大学が登場します。また、その金額も桁違いです。ちなみに、東京大学だけで全体の約10%を占めています。


東京大学の学生数は慶應義塾大学の半数くらいなので、学生一人当たりに換算するとさらに差は広がると思います。


理系の研究はとにかくお金がかかります。実験の機材だけでも数千万の単位は決して珍しくはありません。特殊な試験管に至っては1本10万というようなレベルです。


また、教員一人当たりに対する学生数も、国立大学の方が軒並み私立大学よりも少ないです。


研究費が充実しているからこそ、実験の幅も広がり、指導も充実したものになります。大学に行って学びたい、研究したい人にとっては理想の環境と言えるでしょう。


ちなみに、先ほど情報系以外と書きましたが、これは情報系の研究は他の研究に比べてコストが低いことが理由として挙げられます(もちろん、スパコンを使うなどコストのかかる研究もあるとは思いますが)。


また、文系の研究にはそもそも高価な機材が必要なことが少ないです。もちろん、大学によって得意な分野は異なると思いますが、文系に関しては国立、私立ともに変わりはないように思います。


また、いくら研究費が潤沢にあったとしても、そもそも自分が研究したい分野を取り扱っているか、その研究で有名な教授がいるか、ということが問題になってきます。


有名な研究分野ならほとんどの大学で研究が行われていると思いますが、自分の興味のある分野が専門的なのであれば、国立、私立に拘らず、その研究のパイオニアである大学を選ぶ方が良いでしょう。


 

 

まとめ


いかがでしたでしょうか。偏差値や入試、学費など、国立大学と私立大学を評価する項目は多く存在します。


「ただ自分が行けそうな偏差値だから」「科目数が少なそうだから」という理由だけで国立大学と私立大学を選択すると、後々後悔することが出てくる可能性もあります。


様々な視点から大学を評価して、自分に合った選択をしてください。


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