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東京都内は中学受験が良い?高校受験がいい?それぞれのメリットデメリットを解説
茗荷谷の個別指導塾ESCAの岸田です。
本日はお問い合わせも多くいただく、中学受験と高校受験について書いていこうと思います。
まず、中学受験の様相は都内と地方で大きく異なります。したがって、本稿では東京都内に絞って解説していこうと思います。
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中学受験のメリット/デメリット
中学受験のメリットはなんといっても中高一貫校(場合によっては大学まで)に入学できるというところでしょう。
一貫校は総じて授業進度が早く、例外はあるものの(のちほど記述)、大学一般受験を考える上では非常に有利な環境です。
2023年の東進の調査によると、東京大学現役合格者(理系)のうち、なんと79.5%が高校2年生のうちに高校数学前範囲を修了している、という事実が明らかになりました。
東大を目標にするかどうかは別としても、カリキュラムの修了が早い方が一般入試に有利なことは言うまでもないでしょう。
さらに、中高一貫校のみに絞った調査によると、じつに83.2%の生徒が高2のうちに高校数学範囲を修了しています。
ちなみに、高校入学後に高校数学をスタートした現役理系東大生も、73.1%は高校2年生までに高校数学を修了させていたことが判明しています。
また、この高校数学修了時期に関しては、年々早期化が進んでいます。自分自身で勉強を進める自信がない人、近くに良い塾や予備校がない場合は、中高一貫校に行く選択肢もありだと思います。
中学受験のデメリットに関しては、非常に判断が難しいところです。というのも、メリットに関しては上記のように定量的に評価できるのですが、一般的なデメリットとしては、
・幼少期の勉強の詰め込みに懐疑的
・勉強以外のものに割く時間がなくなる
・親の負担が大きい(コスト、精神面)
などが挙げられますが、このうち「金銭的な親の負担」以外は価値観の違いによって変わってきますし、数値で示すことができるものではありません。
また、塾の料金も指導形態や通塾期間によって変化するので一概に評価することはできません。
ですので、上記のようなデメリットとされていることがざっくりとメリットを上回ると考えられるならば、中学受験を検討してみてください。
また、コスト面に関していうと、近年公立(都立)の中高一貫校が人気を博しています。私立より学費が安く、偏差値が高い学校もあるので、今後さらにレベルは上がっていく可能性があります。
今回は記事の内容と合わないので、具体的な学校は出しませんが、聞いたことがない人はぜひ調べてみてください。
高校受験のメリットデメリット
高校受験のメリット(都内に限る)は、まず受験者層の違いにあります。
都内では上位層は中学受験するのが普通という流れになっており、ほとんどの中高一貫難関校は高校からの受け入れを行なっていません。
そのため、高校受験よりも中学受験が熾烈を極めます。そのため、都内の中学入試は高偏差値帯はもちろん、中偏差値帯まで入試レベルが高くなります。
問題のレベルが高いだけではなく、そこに至る受験勉強も過酷を極めます。中学入試は親御さんのご協力が不可欠な場合も多く、受験生だけではなく、家族全員が精神的にタフでなければ脱落してしまうこともあります。
その点、もちろんレベルの高い層は一定数いるものの、私の肌感覚としては高校受験の方がやりやすい、という気はします。
主な理由は二つあり、中学受験の問題よりも高校受験の問題の方が素直で解きやすいということが一つ、もう一つはある程度生徒も自立しているので、親御さんの労力も中学受験よりは低くなるということが挙げられます。
デメリットは(基本区立中学から受験すると仮定すると)高偏差値帯を狙うにあたって、高校受験時だけではなく、大学受験時も、予備校や塾のサポートが中高一貫校よりもより必要になってくる、という点です。
この根幹にあるのはなんといっても授業進度でしょう。
もちろん程度の差はありますが、基本的に都内の中高一貫校の進度は、上記の中学受験のメリットで述べた通り非常に早いです。
一方、公立中学校の授業進度は中高一貫校に比べると非常に遅く、通常中3の3学期に全てのカリキュラムが終わるように設計されています。
ですので、学校では入試のための演習の時間はほとんど取れません。
もちろん、自主的にしっかりと学校の授業内容を定着させ、自身で演習を行なって高校受験を行う人もいます。
しかし、ある程度以上のレベルの高校を受験するにあたっては、塾のサポートの有る、無しが如実に出てきます。
しかし、さらに深刻なのは大学受験です。ある程度のレベル以上の中高一貫校では授業進度が早く、サポートも充実していることが多いので、塾なしで難関大を受験することも多いです。
しかし、高校から高偏差値帯の学校に進学すると、いくら授業進度が早いとはいえ、中高一貫校の進度には追いつけません。
また、中学範囲は進度が早くてもついていける人が多いですが、高校範囲は進度が早いとついていけなくなる人が多くなってきます。
※高校から進学校に入った私も、内部進学生の進度に合わせて高校レベルの授業をこなしていくのは相当辛かったです。
ですので、現役で難関大を受験しようと思っている人はぜひ塾でのサポートも考えてみてください。
大学までの一貫校の落とし穴(デメリット)
さて、ここで中高一貫校について少し踏み込んでいきたいと思います。
中高一貫校の中には、大学までエスカレーター式に進学できる学校も存在しています。
もちろん内部進学にはある程度内申も必要ですが、それでも一般で大学受験を行うよりもはるかに楽に大学進学ができるので、中高大一貫校は人気を博しています。
しかし、将来の目標が定まっていない中学受験の年齢でこの選択をすることには、もちろんリスクも存在します。
その最たるものは、外部の高校や大学を受験する選択を取ることです。
せっかく中高大一貫校に進学したのに、外部の学校を受験することなんてあるのか?と思われるかもしれませんが、以下のような理由から外部受験をする生徒は一定数存在します。
①内部進学する内申点が足りない
②自分の進学したい学科が大学に設置されていない
①は内部進学の枠が決まっているため、毎年一定数の生徒が相談に来ます。意外と見落としがちなのは②の理由です。
小学生から高校生までは、将来やりたいことがコロコロ変わるということも珍しくありません。
例えば偏差値が高く、そのまま大学に行けるという理由から早稲田大学高等学院や早実に進学したとしても、途中で医者になりたいという夢を持った場合は外部の大学を受験しなければなりません。(現在早稲田に医学部が設置されていないため)
もちろん、早稲田から医学部に行った人たちはたくさんいますし、絶対に医学部に行くという気概があれば、浪人してでも行くという選択肢もあると思います。
しかし、特に意志の弱い人にとって、現役受験生時の環境は決して良いものとは言えないでしょう。
なぜならば、学校にもよりますが、大学までの一貫校の内部進学率は90%を超えます。
つまり、受験期になっても周りはほとんど内部進学なので受験モードになることはありません。また、学校授業も特に受験特化という授業ではないことが多いでしょう。
さらに、偏差値の高い中高一貫校は授業のレベルも高く、受験に関係のない課題が大量に課されることもしばしばです。
人は環境の生き物とは良くいったもので、このような環境の中で受験モードになるのは至難の業です。
ただ、中学受験時点で大学受験をを判断するのは至難の業でしょう。
もしそんな方がいらっしゃれば、予備校や塾の力を借りることを検討してみてください。
総合型選抜を狙うのも一手
中高大一貫に通っている人の中で、もちろん意志の固い人は一般受験で志望大学を受験しても良いと思います。
しかし、一貫校の特色をフルに生かして総合型選抜を狙うのも良いと思います。
一貫校の特色は何といっても高校受験がないこと、授業進度が早いことが挙げられるでしょう。
そのため、高校受験組と比べると、一般受験範囲の学習については相当な余裕が出ることになります。
高校1年時、2年時の長期休み(総合型入試一本で狙う人は高3の夏休みまで)を利用して課外プログラムに取り組む時間が作れます。
※ちなみに早い人は中学生のうちから課外プログラムに参加しています。
「何を目標にすべきかわからない」という人もいると思いますが、まずは様々な経験を積むことからしか目標は生まれません。
早い時期から課外プログラムで様々な経験をしてみましょう。部屋にこもって頭で考えているだけでは物事の本質は見えてきません。
興味がないと思っていた分野でも、実際にプログラムに参加してみると興味が出てくるかもしれません。
学習塾ESCAでも総合選抜コースでは中高生を対象に企業と連携した課外プログラムを行なっていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
都内の中学受験、高校受験についてメリットやデメリットを書いてきましたが、実情は高偏差値帯の大学を目指す生徒はそのほとんどが中学受験をしています。
また、中学受験といえば学歴主義!という側面もあるとは思いますが、近年は先ほども述べたとおり総合型選抜をはじめ、受験に気を取られず様々なことを経験させたい、という受験層もいらっしゃいます。
近年、受験は急速に多様化しています。周りが〇〇だから、という理由ではなく、ぜひ情報収集を入念に行なって最適な受験を選択してください。
とことん調べてみたけど、自分に最適な受験方法がわからない、第三者の意見が欲しい、というときは、学習塾ESCAにお問い合わせください。
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